第5章 1on1
ガンッ!!
火神は華麗なダンクを決める。
(ーーーって。)
「はぁ!?」
思わず漏れた衝撃の声。
その後も火神と黒子の試合は続く。
(しっ…
ーしっ…
死ぬほど弱ええ!!!)
黒子がシュートしようとしたボールをバシッと叩く。
その転がっていったボールを取りに行く黒子。
(体格に恵まれなくても得意技極めて一流になった選手は何人もいる。けどコイツはドリブルもシュートも素人に毛が生えたようなもん…。
取り柄もへったくれもねぇ。…話になんねー!!!)
火神の表情の変化に気が付いた一花は少し溜息をついた。
『(やっぱりこうなるか…。)』
黒子のあまりの弱さに火神が怒りの声を上げる。
「ふざけんなよテメェ!!話聞いてたか!?どう自分を過大評価したらオレに勝てると思ったんだオイ!すげぇいいカンジに挑んできやがって!!」
その言葉に黒子は意に介していないような表情で答える。
「まさか…、火神君の方が強いに決まってるじゃないですか。やる前からわかってます。」
『(あぁ〜…。あんまり煽らない方が…。)』
「ケンカ売ってんのかオイ…!どういうつもりだ…!」
『(…ほら。)』
「火神君の強さを直に見たかったからです。あとダンクも。」
「…はぁ!?」
黒子の的外れな発言に頭を抱える火神。
(ったく…。どーかしてたぜ、オレも…。ただ匂いもしねーほど弱いだけかよ…。アホらし……。)
「あの…。」
「あーもういいよ。」
火神は首を横に振り黒子の呼び掛けを振り払う。
「弱ぇ奴に興味はねーよ。だから…、」
そこまで言うと火神は一花の方へとボールを投げる。
パシッ
「次はお前だ、三浦。」
『私…?』