第4章 誠凛高校バスケットボール部
………
「なんだコレ…。」
強制的に脱がされた一年は一列に並ばされる。
リコは一人一人をじっくりと観察していった。
「キミ、ちょっと瞬発力弱いね。反復横跳び50回/20secぐらいでしょ?バスケやるならもうちょい欲しいな。キミは…、あっ、一花ちゃんメモしてってね。」
『は、はい!(すごい…!)』
「マジ…!?合ってる…。」
「どゆこと!?」
「てか体見ただけで…?」
一年は彼女の観察眼に驚き、疑問の声を上げた。
その問いに日向が答える。
「彼女の父親はスポーツトレーナーなんだよ。」
データを取ってトレーニングメニューを作る。毎日その仕事場で肉体とデータを見続けてる内についた特技。
体格を見れば彼女の眼には、身体能力が全て数値で見える。
『(なるほど…。でも、カントクたる所以はそれだけじゃなさそう。)』
「(〜な、何コレ!?)」
リコは列の最後にいた火神を見て言葉を失う。
『(…彼ら以外にもいるなんて。しかもこんなに早く見つけるなんて。……唯一無二の天賦の才能を。)』
「…何ジロジロ見てんだよ。」
『…!ご、ごめんなさい!…あの一つ質問してもいい?』
「なんだよ?」
『バスケ、…好き?』
彼には彼らと同じ道を辿って欲しくない。
「…何言ってんだ、お前。当たりめぇだろ。」
…そうだ。私が探して求めていたもの。
バスケを純粋に楽しむ気持ち。
彼ならきっと…!
『そっか、…変なこと聞いてごめんね?』
彼の顔を覗き込んで謝る。
「…///べ、別にいーけどよ。」
カントクも我を忘れて火神をじっと見ている。
すると、日向先輩に声を掛けられる。
「カントク!いつまでボーッとしてんだよ!」
「ごめんっっ、…で、えっと。」
「全員視たっしょ。火神でラスト。」
『あっ、いや。』
あそこにもうシャツを着てしまった彼が立っている。
「どうした、マネージャー?」
『黒子君の事忘れてます。』
「そうだ!黒子君てこの中にいる?」
『あ、あそこにいま…。』
「あ!そうだ帝光中の!」
「え!?帝光ってあの帝光!?じゃあ、もしかして一花ちゃんって…。」
『あ…、はい。一応バスケ部のマネージャー兼コーチをしていました。』
「コーチ〜〜!!?」