第6章 絡み合い
「___あ〜っ五臓六腑に染み渡る〜〜〜!」
「お前はジジイかよ」
「なっ!?せ、せめてババアにしてよ!」
久方ぶりに WILD COW に昼食をとりにきた『名前』は、ダブルダウンに『いつもの』を頼み頬張った。
『いつもの』……それは、『名前』が初めてここに訪れた時に頼んだサンドイッチだ。
今では彼女専用のメニューとなっており、彼女は勿論常連と化している。
「はぁ、それにしてもまさか賄いを定番にされるとは思わなかったな」
「ふふ、わかってないなぁ〜ふわふわのパンとステーキがこれまた合う__って話そらすな!」
サンドイッチを頬張りながら喋る『名前』を面倒くさそうに対応するダブルダウン。
2人の様子をみて駆け寄ってきたのはリッカとテンポだった。
初めてあった時とは全然違い、テンポは嬉しそうに『名前』のもとに行き笑った
「久しぶりにきたね、『名前』お姉ちゃん!」
「あ、テンポ〜元気してた?」
テンポの頭を撫でる『名前』。えへ、とテンポは照れくさそうに笑み、『名前』を癒した。
「はー本当かわいいねぇ、なんか欲しいものあるならお姉さんが買ったげようか?」
「うげ、まるでおばあちゃんじゃん……」
「な ん つ っ た リ ッ カ ? 」
リッカはひっと小さく悲鳴をあげて、持っていた珈琲を置いてそそくさと逃げていった。
全く、まだ20代なのにオバサン通り越してお婆さんだなんてどういう了見なんだ。
「おい、まだ子供だぞ?」
「るっさいな〜ダブルダウン……ていうかアンタもまだ許したとは言ってないからね」
「げ、ホント最初と大違いだな」
それは当人である私自身も共感だ。
騙していた訳じゃないが急に立場が変わったのも事実だしなにより仲良くしなければいけない。
そうでもしなきゃ、ルフィ達と関わる術が無くなる恐れもある。
頼んだ珈琲を啜って冷静になった
「それは私もわかってる。けど仕方がないと思って欲しい、立場があったから」
「……いやわかってるさ、まあ今の方が俺は好きだがな」
「__ほう?」
あらあら珍しい、デレたのかいとニヤニヤとしてみせると彼は呆れたようにため息をついた
「ま、今後もお得意様として宜しく頼む」
「勿論ですよオーナー」
にかりと笑って『名前』はカウンターに札束を置いた