第5章 Investigative
「驚いたな……」
レイズ・マックスは未だに現状に驚きつつある。
そらそうだ、いつも通り人助けをしたらこの船の2番目(2番目は私だけじゃないが)に出会った。
そのうえ素性を知られているし、まだ彼らにとっては私は知らない存在。疑われるに決まっている。
「私も驚きました。まさか現地調査中にあなたに会うとは思ってませんでしたし」
会話に一切の邪魔をしないように運ばれたワインと彼が頼んだウイスキーに2人は手をつけ軽く乾杯をした。1口呑み彼は気を取り直して真面目な顔になる
「単刀直入に言うが」
「はい?」
「___俺の何処までを知ってる?」
だん、と置かれたグラスの音が個室に響いた。
一瞬驚いたが元のすまし顔に『名前』は戻す
「……知っていたら、どうするおつもりで?」
彼はサングラスのむこうで1度目を見開き、ニヤリと笑みを浮かべた
「!くく、そうだな……アンタが返す言葉によっては俺はアンタの敵に回らなきなゃいけないかもしれない」
「ほう?」
これまた『名前』も余裕そうに笑みを浮かべる
「言葉には気を付けた方がいいぜ、お嬢ちゃん」
「……」
試すようにみてくる彼の目を無言で見つめ返す。
というのも、『名前』は現時点この空気に全く背いた心情を抱いているからだ。
彼が何者か、目的は何か。
勿論知っているに決まっている『名前』は、笑いそうになるのを堪えていたのだ。
映画の時と違って今は異名通り不敗なのか、派手な見た目で。余裕たっぷりにクサイ台詞をウイスキーを呑みながら言う彼。
__バツ2の行動じゃないでしょ!
「……ふふ」
「?どうした」
「!いいえ、ちょっとこの空気を楽しんでて」
「ほぉ……余裕があるなぁ」
自分があまりにも失礼な人間だとは承知だが個性の強さが私のツボをくすぐる。とはいえあの飛び蹴りを見た今、下手なこと言えないが。
「話を戻して、私は貴方が革命軍の1人でかつ、目的を持ってこの船に来てることは知ってます」
「!さすがにバレていたか」
「そらそうでしょう、革命軍はこの世界の鍵的な存在ですから」
「鍵……そう見えるのか?」
「少なくとも私にはですが」
原作で、革命軍はワンピースの世界の鍵のような扱いを受けている。もっとも、謎に包まれた主人公の父が指揮するのだから当然だ。