第5章 Investigative
この様子じゃ毎回救ってもらっては礼だけで終わっているようだ。
こういったことがあれば報告書を徹底してもらわねば知らないところで生まれた借りがドンドン出来てしまう。
それを利用して今よりも酷いことを起こされたら困る。
__まあ彼に至っては無いだろうが、革命軍のメンバーである以上油断はできない。
ため息を一つして『名前』は名刺をマックスの前に差し出した。
「私こういうものです」
「?、何___っ!」
名刺を受け取った彼の表情がみるみる固く強ばる。
『名前』はお辞儀をしてにこりと微笑んだ
「申し遅れましたレイズ・マックス様。
こちらの事情により身分を隠しておりました、ご無礼をお許しください。
私はこの船の幹部を務めている、『苗字』 『名前』 です。」
「嬢ちゃんが……?!本当なのか?」
「ええ、以後お見知りおきを」
肯定の意味として微笑む
『名前』が身分を明かし驚いたのはマックスだけでなく、その場にいたフロントスタッフ達もだった
スタッフ達が慌てるのを横目にそのまま続ける
「さて、今回は私達を助けて頂きありがとうございました。
今回が初めてではないとお聞きしたので御礼をさせて頂きたく身分を明かした迄でございます。怯えないで下さいね。」
「……」
とはいったものの、彼の顔はさっきより固く疑いの目をむけている。何も言わないが警戒はされている様子。
うーん、これはもう仕方が無いな。このまま話を進めさせて頂こう。
「まあこんな所で喋り続けるのもなんですし場所を変えましょう!場所はご指定されますか?」
「……いや、任せよう」
「かしこまりました。ではすぐに用意させます。」
そういい『名前』は電伝虫を取り出し部下に場所とカメカーを手配させ、フロントスタッフにあとを任せた
終始マックスは何も言わずにこちらを疑り深く観察しているのを感じ取れた。
…
「__ほんとにいいのかこんな……っ!?」
「勿論です、どうぞお召し上がりを」
数分後迎えに来たカメカーに彼と乗り込み和洋中折衷なんでもござれの腕のいいシェフが経営する食事場に来た。
個室もある上美味しいこの店は私の調査によって見つけた場所である。
副産物はでかかったということだ……ふふふ。
マックスは驚きつつもお酒と料理を頼んだ。