第5章 Investigative
「だから私が行かなきゃ意味がないって言ってるじゃないですか!……貴方が従えた手下だから信用はされているししているでしょう。でも」
『名前』は自分の掌を見つめた。
「私には能力も無い。
彼らを従える言い訳があっても……彼らに信用して貰うに値する能力はない。」
ゴムゴムの実もゴルゴルの実も__いや悪魔の実の能力どころか、私には能力がない。
私のもといた世界でも結局は武力が人を従えていた。
このワンピースの世界はそれ以上に武力が必要不可欠だ。だけど私には無い。……だから
「__だから、私自身が動かなきゃいけないんです」
「……!」
テゾーロがそれまで緩めていた表情を引き締めた。
『名前』は少し息をきらす。テゾーロは少し低い声で『名前』に忠告をした。
「言っておくがあんまり良いものじゃないぞ。幹部とは違うからな。」
「そんな状況ならますます、改善の余地ありですね」
『名前』は鼻で笑い余裕ぶった態度をとった。テゾーロはそれをみて彼女に対し諦めたように笑った
「ハハ……わかった、無理はするなよ。お前は私の__」
「?なんですか」
そこまで言いかけてテゾーロは口を噤んだ。その様子を不思議そうに『名前』は眺め首を傾げる。
「いや、あぁそうだ。私の駒だ。」
「……引っ張るからって言うの待たなきゃ良かった。」
『名前』は目をほそめてため息をつき、では。といい扉へ向かった。その後ろ姿を彼女が出ていくまでテゾーロは見送った。
先程私は何を言いかけたんだろう。
あいつは……私の……
「……まあいい。今日のスケジュールは__」
…