第5章 Investigative
「……悪い」
彼は済ませてはいけないが何も言えない自分はもっといけない気がした。勿論意味がわからない『名前』は ? を頭に浮かべる。
「?何がですか」
「……」
聞いてはみたが彼は何も言わない。
「?……わかりました」
意味がわからないままだが、『名前』はもうそれ以上何も言わないことにした。
それ以降何も言葉交わすことなく、暫く湯船にて過ごした2人は風呂から上がった。
着替えたあとテゾーロは無言のまま『名前』を置いてその場を去ていった。
彼女1人残されたその部屋は重たい空気が流れている……はずなのだが
「……っあんのアホゴールド重てぇわバカ!!」
ブチ切れていた。
そう、あんな『内容が重い』話をしておきながら、『名前』はテゾーロの体重が重たいしか考えていなかったのである。
「いや、もしかしたら徹夜したりしていた私を労わろうと彼なりにお風呂に誘ってくれてたのかもしんないけど!けど__」
入る前にはカゴには無かった何故か私にぴったり合うバスローブに着替えながら『名前』は愚痴を続けた
「いくら何でも、もたれられたら肩こるっつうの!
どんだけ身体がごついのかわかってんのかよアホゴールドォ!」
肩に鈍い痛みを感じながら手で軽く揉んだ。
この後も仕事はなくなったわけではないので部屋に戻ったら続きをしなければならない。
この間買ったどこかのブランドの化粧水を顔に思い切りかけて頬に手をあてる。
「!」
ふと、いつもザラザラだった自分の肌が素晴らしくすべすべなことに気づいた。
「!?……ごわついてない、ていうか私……」
隣にある鏡に顔を向ける。
私の肌は学生時代以来見なかったすべすべのまっさらな肌だ。
「……!!吹き出物ひとつ無い、シミも……」
この船に来る前は流石の環境でクマも余裕でできていたし、吹き出物だってあったし、前の世界からずっとあったシミも今は消えている。
思えばテゾーロに隠れて徹夜したこと以外、私は規則正しく健康な生活をおくっていた。
これは、彼のおかげ…………
「……もしかして」
テゾーロのこと勘違いして__!
「__はぁ〜やっと休憩だわ!お風呂〜!」
「もうドレス暑い〜」
突然、部屋にバニーガールやドレス姿の女性が来た。
「!?」