第4章 勤務初日
その目が不服なのかテゾーロも むっ とし『名前』を睨む。
「だって!その……どこで覚えたんですその絡み方」
「?あぁ、なんだ恥ずかしいのか」
「なわけ……いや仕事の邪魔するなら出ていって下さいよ」
ニヤニヤする彼の手を振りほどこうとするがそれをさせないかのように彼の手が滑り込んでくる。
(うう、なんだこのしつこさ!)
その手はいいように言えば猫の尻尾。悪くいえば触手。
気づけば彼の顔も心なしか近い。
「その仕事の納期はいつだ?」
「!……それは」
ちらりと彼はデスクトップに目を向ける。
確かにやりきれず面倒で放置していた仕事だが別に明日でもなんなら1週間先でもいいくらいの内容だ。
「あぁこれか……⚪︎✕の仕事はどうした」
「……っあ、あれはもうとっくに」
そういい『名前』の片手で指さした方向には確かに終えられ片された書類があった。一目でみればわかる、あれは終えてる。
「へぇ流石だな、△□もか?」
「はい、それも……あそこに」
「つまり、余裕で私と付き合う時間があるということだ」
そういいテゾーロは『名前』を作業机からひっぺがしソファに投げた
「!?……なっ」
「なんだそんなに嫌か?」
睨む彼女を見下ろし不敵な笑みを浮かべる。
何をされるんだと言わんばかりの不安げな表情も見て取れる。
「……い、いや私じゃなくてもいいじゃないですか!」
「?それはつまり」
「貴方には……金色のお風呂で一緒に浸かる美女も山ほどいるのに!その人たちに構って下さいよ!」
そういうとテゾーロは驚き目を見張った。
「!そんなこと知っていたのか」
「……!(げっ、周知の事実じゃないの!?)あ、ええと外でたまたま耳に入りました……よ?」
動揺する彼女を見透かすようにテゾーロはまた笑い彼女の横に座る
「へえ……俺の手下が広めたのか」
「知りませんよそんなこと!……見た目通り悪趣味ですよね」
軽蔑するといった目を向ける。
そんな彼女を面白がるように彼は接近し肩を掴んだ
「この船でそんな口をきけるのは不躾な海賊かお前ぐらいだな」
「っ!離して」
抵抗も虚しく彼の手は私を掴んだまま離さない。
それどころか掴む力が強まり、彼の目は好奇に満ちた眼差しのままだ。
「何の、つもりで!」
「このまま犯すと言えばどうする?」
「犯す……?!」