第4章 勤務初日
店員さんは暫くすると我に返り深呼吸をした
「すみません。こんなにかっこいい女性はじめてで……」
「?よくわからないけどいい感じな__」
そう聞こうとすると店員さんはバッとこちらをみて、勿論!と断言した。その迫力に思わず『名前』は うおっ、と言ってしまう
「それはそれは勿論です!ここではドレスが主流だと思っていましたが……このブランドで働く私がそんなことに気づけないなんてっ!」
「すっごい熱意……いやそんなことないと思いますよ?」
あくまでこの服は機能性とそれでもこの場に見あった格好にするため。私のワガママの塊だ。
まあいいとりあえず他にも今試着したのと似たようなものも何点かとったし全部お買い上げしてしまおう。
『名前』はなんでもカードを取り出し店員さんに渡した
「カードでのお支払いで__ってこれ、えぇ?!」
まあそら驚くよねと思いながらも『名前』は続けた
「もうこのままこの服着ていきます。他に選んだ服も元のドレスも全部ホテルレオーロに送って下さい。本部には伝えておきます。」
店員さんは何でもカードをみては『名前』をみて〜……を何回も繰り返し、終始驚いた表情のまま「はい……」とだけこたえた。
…
「__あー終わった!」
午後になり、『名前』はやっと服に日用品……と必要なものを全て取りそろえた。
買い物中天竜人に会わないかビクビクしていたがもう午後。出会うこともなかったしもう出て行っただろうし、何とかなった。
買ったものは今着ている服以外は全部自室に送って貰った。
そして今本部もとい部下にその電話をいれて手続きを終えたところ。
「流石にセキュリティ上の問題とはいえ店名全部いうのは大変だったな……なんて読むのか全くわかんないブランドばっかだし」
何回も電話相手の部下に笑われた。
仕方がないでしょ私は異世界人。今は転生したから違うけど。
「さて、お昼ご飯……」
辺りを見渡すと高級レストランが立ち並んでいる。ううん、私一人で入る勇気ないし、なんかヤダ……
「WILD COW でいいか!
新聞あるのわかってるし、ダブルダウンさん優しいし……上手くいけば」
もしかしたら、今のところずっと会えていないカリーナにも挨拶が出来るかも。いたらの話だけど。
『名前』はヒールの音を響かせながら目的地へ向かった