第4章 勤務初日
そして次の日
「「「おはようございます!初めまして!『名前』様!」」」
「……???」
身支度を整えてさあ行こうと扉を開けた瞬間、目の前に大量の社員が立ち並び礼をした。
な……なにを言っているのかわからねーと思うが、私も何をされたのかわからなかった……
じゃなくて本当に誰がこんなことさせた!
「あ、あの……誰にこんなことさせられたの?」
立ち並ぶ1人に恐る恐る話しかけると彼は下げ続けていた頭を勢いよく上げた
「!?」
「はい!『名前』様がこちらに来られたと聞き、下の我らが挨拶に来た次第です!」
「なにその社畜!じゃなくて、いや皆ぽっと出の私が突然上につくなんて普通納得いかないでしょ?!なんでこんな……」
「!は、すみません土下座をし__」
「いやすんな!」
土下座しようとする彼の頭を掴んで静止させる。
「あ、あのねぇ……普通私から挨拶回りに行くもんでしょうよ。ごめん把握出来てないから聞くけどここ何人いるの?」
廊下の方をみるとまだまだいそうだ。何人で人の部屋の前に来たんだコイツら
「テゾーロ様と幹部のバカラ様、ダイス様にタナカ様カリーナ様以外と出張中以外の者はこちらにいます!」
いやブラックかよ。それぞれ仕事あるだろそっち優先しろよ!
上下関係激しいなと思いつつ人しか見えない廊下の先を薄い目でみる
「どうりで廊下の先が人以外見えないわけだわ……でも今見えてるのが全員じゃないよね、あと何回くらい人来る?」
「300……」
「あーもういいです!お気持ちでもうお腹いっぱい!」
掴んでいた彼の頭を思い切り押し投げた。こんなの挨拶させ続けたら日が暮れる。
「今からいうことを今ここにいる全員に告げて!」
「!は、はい」
投げられよろめいた彼は飛び跳ねる勢いでこちらに向き直った
「え〜貴方達の大いなる誠意、身に余るほど受け止めました!上に立つ者とはいえ力無い私にこれ程の誠意感謝します。
以上もってこれ以上の挨拶不要!解散!」
じゃあ!と言って『名前』はその場から逃げるように立ち去った
呆然と立ち尽くす手下達は暫く『名前』が見えなくなるまで見つめたあと
「……なんだ今の」
と、圧倒され余韻を感じていた。
…
「……朝から何、怖すぎる」
彼らの声が響き痛む頭を押さえながら『名前』は軽く俯いていた