第1章 プロローグ
「あ、体……うごかな……」
体に重りが乗ったような感覚に襲われてそのままソファに倒れるように寝転がってしまった
……折角お風呂沸かしたのに。それに化粧もおとせてないし、ゴミも処理しなきゃいけないのに!
「ダメだこれ……本当……あぁあ〜……」
瞼が自動的に下がり暗闇の世界にいく
いつもならなんとか……起きてられるのに……な……
そう思いながら、眩く輝くスマートフォンの存在を無視して『名前』は深い眠りについた
一方彼女を無視したままスマートフォンも次々とポップアップを表示する
『ありがとうございました』
『貴方の生を完了したことを確認致しました』
『おやすみなさい』
『転生手続きを行います、危険ですので対象外の方は離れて下さい。間もなく開始します……』
……ふと気づいた頃にはその場には何枚もの資料の紙が舞い、ソファは人型の形にへこんでいたが
__その場所には誰もいなくなっていた。
…
……あぁ
体が全く動かない、真っ暗……夢?明晰夢というやつだろうか。
けれど話に聞いていたのとは違って体が重たくて全く動く気配がない
自分がしたいこととか出来るんじゃないの……そういえば訳わかんない画面にひたすら願いを書いたのに何にも起こんなかった。
というか私、寝落ちしたけれど。
『!し……か……して!』
……え?誰?呼ばれてる?
仕事かな……あぁやだなぁ……呼び出し……
『しっかりして!』
は?
感覚が戻り暗い世界から解き放たれる、目の前には知らない少女がいた
思いがけない光景に思わず固まってしまう。
「あ!目が覚めた!良かった……」
少女はほっとして胸をなでおろした。とうの私はそれでも固まり続け、やっと起き上がった
「!!?……私」
「良かった!お姉さん死んじゃったかと思って……」
状況を把握出来ないまま、周りを見渡すと牢屋の中にいることが分かった。
……ってなんで!?さっきまで私確か、自分の部屋にいてたはずじゃ!?
「!?なんで私……えぇ!?」
『名前』は手を動かそうとするが手錠をされて動けないことに気づいた。よく見れば目の前の少女も両手首の他に鉄の首輪もされている。
恐る恐る自分の首元に触れると鉄の冷たさを感じた。