第1章 プロローグ
相当運が良くなりたい、それならあんなブラック企業に就職することも無かったし……
そう思い過去を振り返っているとまた同じポップアップが現れた
『了承しました、他の願いもどうぞ』
「ま、まだあるの……?それともそれとなくこの回答は拒否されてたりして……?」
だが変わらずこの画面はまた元の『願い』とやらを求めてくる
……私の本当の願いじゃないとでも?
「そうだとしても……あっ」
ふと、さっきまでみていた映画を思い出した
ONEPIECEが私は大好きだ。彼らを、あの世界を、私は何度も羨ましく思ったし愛してる。
そして昔から変わらない密かな夢を隠し持っていた。
『あの世界へ行って、彼等の力になれたなら』
彼等……そう私が特に好きだといえる『麦わらの一味』
彼等に何度も力を貰った、だから私もそんな輝ける存在に少しでも関わりたい。
今してる仕事だってそうだ、昔から誰かに褒められることが好きだったから今の仕事がどれだけおかしいとしても……反論したことは1度もない
……まぁ働かないで済むなら今の仕事は辞めるけど
でも誰かの生活を支えたいからまた違うところで働くと思う
そうふと奥底に叶わないことをわかってたからしまっていた願いを思い出したのだ
……だからといってここに書いたところでその願いは何にも進歩しないことは重々わかってる、けど
「……叶わないとしても、1番叶えて欲しい願いはこれかな」
小さい頃に雲の上に乗りたいと願った時の気分になった
何だか悪くないなこんな気分
「……ありがと、ちょっと何だかいい気分になったよ」
お礼にというような感じで、『名前』は文字をなぞった
『私の大切な人達の力になりたい』
麦わらの一味と入力しかけたが、もし後で公表でもされたら恥ずかしいのでぼやかした。
「あはは、これ追求された時なんて返そうかなあ」
そう言いながら『名前』は決定をタップした。
すると、
『貴方の願いを実行します』
「えっ?」
さっきまで他にもないのかって言われてたのにもう終わり?……って画面が一向に変わる気配がないんだけれど!
「っちょっと!散々考えて入力したのにそんなのある?!やっぱり詐欺__」
とまで言った次の瞬間、『名前』は物凄い眠りに襲われた
……昨日まで二徹してて今こんなに夜更かししてるからだ