第3章 特別なショー
そういい余裕そうにするテゾーロに『名前』は疑い深さを感じて目を細めてじっと見る
「……なんだ?」
「いやなんかニヤけてるし……金にしないんですか」
「金にされたいのか?」
「 嫌 じ ゃ ! でもなんていうか、その」
どう表現すればいいのかわからずもごもごとする『名前』を面白がりながらテゾーロは言った
「……あのショーはなんの為にしたかわかるか?」
「?そういえば結局海賊じゃなかったんですか」
「違うな」
そう言って笑うテゾーロ。
困惑し続ける『名前』にテゾーロはヒントを示した
「……あのショーはお前の為にした」
「私のために……?」
私のためにしたショー。
テゾーロは過去奴隷だったからその同情にあの爆発を?……いやそんなはずない。だったら私から金銭を奪う真似なんてしない。
あの爆発の方向にあるものは……港だ、遠さから考えて他の施設の爆発とは思わないし、私にする意味が無い。
……港にあるのは船、海賊ではないとすれば__
「……え、いやウソウソそんな訳ないわ」
「?おお、何を思いついた」
テゾーロの興味津々な仕草に案外かわいい所あるんだなと思いつつ『名前』は笑いながら言った
「いやバカにされそうだから言わないです__」
瞬間、足までだった金は腰まで変化した
「……ん゛?!」
「言え」
笑顔といっても、とてつもなくどす黒い笑顔を見せつけられる。殺される……能力者だからってコイツ!
「わ……笑いません?」
「言え」
「……わかりました。いやまさか、天竜人の船を爆破したかな〜って!そんなわけないですよねアハハ__」
「正解だ」
「は?」
笑顔のまま『名前』は固まる
「天竜人の船を爆破した。お前の為にな。」
「……!?!?」
ふ、と笑うテゾーロを信じられないといった様子で『名前』は空いた口が塞がらなかった
暫くして落ち着いた『名前』は一度深呼吸をした
「どうやったんですそれ……」
「私はゴルゴルの実の能力者、金を自由自在に操る。
……雷金というものを知っているか?衝撃を与えれば爆発する金だ。それを作り出しぶつけたまでだ。」
「いや方法じゃなくて!港は人も多いでしょうし……」
「あぁ、暫く入口は閉鎖した。そして港付近を立ち入り禁止にした……それもこれも全てお前の為にな」