第3章 特別なショー
「いい気味だえ、この前わちしが遊んでやった時に睨んだからだえ!やはり天竜人に逆らうなど愚かだえ」
「チャルロスの言う通りだえ、愚かな者は天罰が降る……この星に生まれた時から!」
貴族の方からもいい気味だ。バカらしい。と笑い声のみ上がり続けていた。
「!奴隷といえば……『名前』は知らんかえ?テゾーロ」
「!……アイツは」
一瞬なんて言おうか悩んだがふ、と嘲笑いながら
「……先程船に戻ると伝えてくれと言われましたが、船で消し炭になっていた」
「……『名前』が……『名前』までかえ!」
チャルロスの目が見開きテゾーロをみる。
数秒ほど沈黙がまた訪れたがチャルロスがまた壊した
「……ざまあみろだえ!そうだえ、アイツのせいで船にいた奴隷みな死んだんだえ!ふぇっふぇっふぇっふぇっふぇっ!」
……アハハハハハハハ!
今日一番の笑い声がその部屋で響いた。
「ハハハ……では帰りの船、海軍を手配しましょう。皆様はいつお帰りになられますか」
「……明日にでもヒューマンショップに行くかえ、お父上様。ここはもう飽きただえ」
「ああ、奴隷を補充せねば……では明日の昼に呼べだえ」
「__かしこまりました」
テゾーロは礼をして貼り付けたような笑顔のままその場を後にした。
…
「……大きな爆発音だったなあ」
一方その頃、『名前』はナプキンで口元を拭いながら夜景を眺めていた。
さっき起こった大きな爆発音。
驚きすぎて椅子から10センチほど跳ねてしまったけど、タナカさんに見られてないだろうか
「……あの方向って確か港だよね、海賊がグラン・テゾーロを奪略に来たとか?でもテゾーロがそれに負けることないだろうし」
まぁここは、filmGOLD の内容から2年前の世界。
予測することは不可能だから何が起きても仕方がない。
本当に奪略しようと海賊が来てたとしても、2年後もグラン・テゾーロは存在するのだからテゾーロが勝つことは確実だけれど。
まあ私が欲を言うならば
「天竜人の船に飛び火してないかなー!なんて、なるわけないよね〜」
「特別なショーは楽しめたか?」
「っわ゛!?」
振り返ると驚いた私が面白かったのか口元に指をあてがい笑うテゾーロがいた
「……ハハハ!10センチは跳ねたんじゃないか?」
「っ!!」