第3章 特別なショー
目的地に着くと港には天竜人の乗っている船に取り残されていた奴隷が並んでいた。
彼等は今から何をされるのかと恐ろしさに震えている。
……その姿を見て昔の記憶が過ぎった。
「テゾーロ様、お待たせ致しました」
「!あぁタナカか」
我に返り横を見るとタナカが先程呼んだとおり現れた。
「あいつは問題ないか?」
「はい、テゾーロ様の命令通りディナーもお召し物もお出ししました」
「そうか、よくやった」
タナカさんは軽く礼をした
「しかし……本当にされるのですか?こんなこと……」
「……まあ、確かにリスクは大きいな」
タナカでさえも私の命令に確認を求めてくる
それ程今からやることは狂ってる。
「テゾーロ様、船内にいる者全ておろしました!」
「……ああ」
そう言ってテゾーロは天竜人の所有する奴隷に近づく。
彼が現れたことで奴隷達は更に怯えた。
他の海賊や海軍が乗った船も港にあるが、そいつらには船には誰一人残さないようにする為に、代わりに1泊分ホテルに無料で泊まらせる形で実質追い出した。
天竜人には奴隷が最近グラン・テゾーロで事件を起こしたという嘘を言って、彼らの検査をすると無理を言い成功した。
……金額はかさんだが私にとっては端金だ。
「まさかここまで手を焼かせられるとはな」
そう呟きテゾーロはいくつもの金色の鍵を作り出した
奴隷の前にたんまりと置くと彼等は困惑した表情に変わる
「……この鍵でその邪魔な首輪を外せ。」
「!?ほ、本当か」
信じられないといった顔に瞬で変わる
「ああ、済んだら私の手下についていけ……この船で仕事を与える。」
そういって影の方にいる手下を指さした
奴隷の彼等には指示された場所で服を取り替えてこの船で働かせる……そうすればアイツも文句はないだろう
「!……アンタは神か」
そう言われテゾーロはニンマリと笑みを浮かべた
「あぁ、俺は神だ」
そうして数十分後、手下が奴隷が元々来ていた服を持ってきた。
「テゾーロ様!」
「ひとつも残してはないな」
「テゾーロ様、こちらも」
「あぁこれもだな」
そう言われて差し出された奴隷服と、タナカに持ってこさせていた『名前』が来ていたドレスと装飾品
……ドレスは今やただの布切れだが
「……趣味が悪いな」
ふ、と笑いタナカから受け取ったドレスを眺めた