第1章 プロローグ
そこには招待状、とのみ送られていた。
「なにこれ……催促?……まさか!」
『名前』はハッとし思わず仰け反った
……もしかして会社のこと!?
「招待状……今度行う上司の催事のこと?!待って待って明日休みなのに会社に……〜ッもしかしてこの人上司よりもお偉いさん!?」
さっきから名乗らなかったり会話にならないメッセージを送ってくるが、年配の上司ならありえないことも無い。
思いつく年配の上司の上司の名を思い出しとりあえず聞いてみることにした。
「やばいやばいやばい……!ええと、『お返事遅れて大変申し訳ございません。念の為お聞きしますが○○さんでお間違いないでしょうか』!!」
口で発しながら、『名前』は最速で文字をなぞり返信を送った
あぁ末恐ろしい、明後日もう会社に行きたくない
発狂しそうな状態の中、また明るい通知音が私を制止させるように鳴る
「なになに『アンケート、htt……』って、なにこれ」
私の質問は無視して向こうからアンケートという単語とともに、アドレスがでてきた。
会社内アンケートかな、3ヶ月に1回の頻度のはずだけどもう1ヶ月前にしたし……まあいいや臨時アンケートかも
『名前』は全く疑いもせずにそのアドレスを押してしまった。
途端、
「わっ!?」
スマートフォンに突然でかでかとポップアップが表示された。
驚いて投げそうになるがすんでのところで止めて、恐る恐る画面をみてみた。
『貴方の願いをここに』
「願い……?なんのこと?」
その言葉ともに、下に入力しろと言わんばかりの縦線が点滅している
フィッシング詐欺紛いのものかと思いほっとして電源ボタンを押したが消えない。
「!?なら強制シャットダウン!……嘘、全く電源が切れる気がしない」
スマートフォンは私にとって命そのものだ。仕事にしても私の娯楽にしても……それがこんな画面で止まってしまっては大変困る
どうしようもないので『名前』はとりあえずその願いとやらを書いてみることにした。
「ん〜……仕事が大変だしなぁ、とりあえずお金持ちになりたいかな」
お金持ちになりたい。それも働く必要がない程に。そう思いそのまま入力してみると
『了承しました、他の願いもどうぞ』
とまた同じ入力画面。
「?まだおわらないの?……そうだなあ運が良くなりたいかな」