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【ONE PIECE】2 yars a GOLD

第12章 新たな刺客


しかしその相手に名指しをされ、どこからその情報を得たのかこの電伝虫までこぎつけるとは思わなかった『名前』は息を飲む。彼女の脅威だと判断したサボが、咄嗟に通話相手の男に名乗るよう求める。

「お前らが何かやってるんだな、誰だ。」
「……なんだ、付き人もいるのか?まあいい、我々は『名前』に用がある。」
「答えろ、お前ら何を企んでる!」

通話相手に問いかけるも相手が革命軍だと気づいていないのか、無視をして『名前』に話しかける相手。『名前』はその様子に相手がどういう存在かを計り知れないでいた。

声の気迫に気づかない?──いや無知な、テゾーロに反抗するような相手なんてこの国や海にはたくさんいるが……しかし今回のようなタナカさんやバカラさんまでもが苦戦する相手なんて滅多に無い。

原作に出ないとはいえ、ここで過ごしていたら少しは耳に入る名の知れた者になる。しかし部下から名は聞かされなかった。忘れていた可能性はあるが───部下の慌てようを見るに相手は不特定だろう。

相手が誰なのか、なぜ私に目をつけているのか、多くの疑問を持ちながら『名前』は恐る恐る電話相手の話を聞くことにした。

「何者なの、何でこんなことを?」
「後にわかる、それよりお前がどんな奴かを知りたい。」
「……どういう意味?」

「───今からTHE REOROにしたことと同じことを"ダウンタウン"にもする。止めたければ行けばいい、お前に出来るならな。」

「!?」

ダウンタウン、それはこの国で敗けた浮浪者やならずものが住み着く町───そしてWILDCOWも近い。そんなこと知ったこっちゃないと言ってもおかしくない地位にいる私に、わざわざ連絡をしたということはそれが弱みだと相手は気づいている可能性がある。……それに巻き込まれてしまう可能性もあるだろう。

そうなればいくら軍人上がりのダブルダウンでも、タナカさんやバカラさんが苦戦している相手は───否、リッカとテンポに間違いなく被害が及ぶ。

そう思考し、言葉を詰まらせ動揺する『名前』を見て隣に立つサボは今、彼女は脅されているのだと理解した。

「意味がわからない、目的が……この国の転覆をはかってるの?」
「!」
「──転覆?違うね、お前がどういう奴か知りたいだけだ。まあ為す術なく、指をくわえて見るのがオチだろうな。」
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