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【ONE PIECE】2 yars a GOLD

第12章 新たな刺客


レイズ・マックスと契約を結ぶ際、むしろ私から契約したいと提案したのは出会う前からこの船に彼が手助けをしていたから。もしあの時私がそうしなければ私じゃ対応できない事柄が起きて私にその処遇を振られていたかもしれない。何より映画限定キャラクターである以上、関わりを持つことは私にとってプラスだ。

───ただサボの場合、映画に出ていたとはいえ本編にあまりにも重要すぎる。

もし私のせいでサボの記憶喪失が早くに戻ってしまったら?もし彼が私のせいでテゾーロに倒されてしまったら?……絶対にそんなこと起きてはならない。


何よりそもそも革命軍のトップ2と関わりを持つこと自体、私には荷が重い!

『名前』はどう返そうか悩み黙っていたが覚悟を決めて顔をあげ、彼に向き直った。

「……確かに、貴方の言う通り私にとって物凄く好条件です。革命軍の貴方が私のことををどこまで知っているのか───少なくとも簡単に死んでしまう私がこの場にいるのは奇跡としか言えません。」
「……」
「テゾーロだって私が不必要だと判断すれば簡単に私は殺されるでしょう、そういう方ですから。だからこそ貴方の提案はとてもありがたい……けれど。」

一度深く目を閉じ、見開いた彼女の目は強く煌めいた。

「──ありがたいからこそ、貴方が革命軍かつ権力者だからこそ、私はこの船の一員としても、簡単にその契約を結ぶ訳にはいかないんですよ。あまりにも私が"得すぎる"から。」
「!」

「これは私が生き残るための断りです。もちろん船員としてテゾーロが脅威だとしても恩もある──簡単にそんな契約を呑む訳にはいかないんですよ。」

『名前』はそう言うとティーカップをテーブルに置き、サボを改めて見据えた。

サボはハッとし彼女に圧倒されていたことに気づく。そんなつもりは一切無かったのだが彼女に何故そうさせられてしまったのだろう?ただ、彼女の目がこの世にある宝石のように、少なくとも紅茶に浮かぶ金箔が霞むような輝きがあったように思えた。

疑問に思いつつも、とりあえず彼女の言いたいことは理解出来た。今はこの話し合いに決着をつけなければ。

「…………なるほどな。悪かった、お前のこと少し見誤っていたよ。」
「!?」

ふ、と笑いサボは崩れかけていた余裕のある表情を元に戻す。そんな彼にまたも『名前』 は驚きつつ身構えた。
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