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【ONE PIECE】2 yars a GOLD

第12章 新たな刺客


あまりにも即答で拒否する『名前』にサボは1回目に断られた時よりも大きく口を開けて何故だとリアクションをとった。対する『名前』は平常心を装いつつ手元の紅茶を啜る。

「さ、流石に何の躊躇もなく断られると悲しいな……ハハハ。」
「……初対面ですし。」
「それを言えばレイズ・マックスだってそうだろ!?なんで初対面のアイツが良くて紹介された、おれがダメなんだ!?」
「ええ、いやその……。」

こっちにも事情があるんだが彼はそんなこと知ったこっちゃない。それにサボの言う通り、私が会うより前からお世話になっていたとはいえ初対面のレイズ・マックスに頼んでおいて、その彼から頼まれたサボを断る理由がこちらにはない。力量だって寧ろ足りすぎるくらいだ。

「っ──確かにそれはそうですけど、貴方それ以上に何かしようとしていたでしょう?ボディガードだとか……」
「!ああ、それもレイズ・マックスから頼まれたんだ。最初から聞いてると思うが……この船の権力者である以上おれたちにとってお前の存在は重要なんだ。」

納得できないと断られて悲しそうにしていた彼だが、話を振られ堂々とした漫画でもよく見るいつもの彼の顔に戻る。"兄貴"という言葉が似合う。

「お前がお前である以上革命軍として失うわけにいかない。その地位である以上よく危ないめにあうんだろう?命を失いかけるほどのようなことが──この船の中にいたとしても。」
「!」

彼の言い回しでで私が1週間前までにあったことがもう知られているのだと察する。それを知られている以上私は否定できない。実際内部の人間に頭をぶん殴られて心肺停止まで陥ったのだから。

「だから革命軍として、世話になった人からの頼みとして俺が用心棒を請け負う。そして『名前』の護衛もしたい。」
「……はい。」

「自分自身で言うのもなんだが──力としては申し分ないはずだ。最悪テゾーロと相手取るとしてもお前を護るくらいはできる。」
「……そうですね。」

「勿論、だからといって今以上に何か対価を求める気は無い。これでも何か不足があるなら飲むつもりだ。何を不満に感じてるか教えて欲しい。」
「……。」

これだけ受けたくないと提示しても、強気な姿勢を見せるサボに『名前』は少し気まずそうに彼から目線を外し下を向いた。彼の目から折れる気が一切ないのが凄く伝わる。
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