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【ONE PIECE】2 yars a GOLD

第12章 新たな刺客


あまりのツッコミどころの多さに『名前』はそれ以外の言葉が消え、心の声がダダ漏れとなってしまった。まさかあのサボを、というか革命軍が組織の2番手を私のために向かわせるだなんてこと、誰が予想出来たのだろうか?

ただただ驚く私をサボはとても面白そうに見ている。愉快そうで楽しそうだなあと言わんばかりに。こちらはとてつもなく焦っているのだが。『名前』は目をパチクリとしつつ、少しずつ彼から距離をとった。

「おいおい、そんなに怖がらなくてもいいだろ?別に取って食ったりしねェよ。」
「ええ……そうですね、アハハハハ。」
「じゃあなんで離れようとするんだ?」
「アハハ……ハハ……。」

どう考えても余計にこの世界が拗れる気しかしないからです!!!

ただでさえルフィがバーソロミュー・くまに逃がされていないこと、そしてエースの処刑日が予定より1週間も遅れているというのに……サボとここで私が関わってしまったら嫌な予感しかない。

──なんて言えるわけもないしそれが伝わるわけもないので『名前』は酷く下手くそな愛想笑いをするほかなかった。

「手厳しいな、レイズ・マックスは許せても俺はダメかな。」
「いやそんなつもりは……」
「じゃあそんな怯えないでくれ。」

人の気も知らないで、お願いだからどっかへ行ってくれ!本当にもうこれ以上拗らせたくないんだよ!───と言いたい気持ちを堪えて『名前』はどうやって穏便に彼と縁を切ろうか悩んでいた。

「まあ一旦俺のことは置いて、説明し直すと俺がレイズ・マックスの代わりの用心棒かつ、お前を守るボディガードに───」
「け……です。」
「ん?」


「──結構です!」
「ええ゛!?」

私がどう言おうと彼によって先々と話が進んでいくのを察した『名前』は自分にはどうにも出来ないとわかり、そう言うと彼の横をすり抜けて猛ダッシュで逃げた。……それを簡単に許す訳もなくサボは容易に追いかける。

「なんで追いかけてくるんですか!断ったでしょ!?」
「ハハハ、そう言うなよ!」
「いや本当に迷惑───めちゃくちゃ笑顔なのが逆に怖いんで帰ってください!」

病み上がりで走る体にすぐガタが来る。対してサボは汗ひとつ無く走りながらだというのに爽やかな笑顔を保って、わざとスピードを落として追いかけてくる。なんてこの世は不条理で不平等なのだろう。
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