第2章 グラン・テゾーロ
悩んでいるフリをして物語のことを思い出した。
__確かこの誘いは罠だ。
filmGOLD ではルフィ達はまんまとひっかかりテゾーロにゾロを捕えられ、多額の借金をふっかけた。
名の通る海賊が現れたらいつもするらしい罠だが……
__けど私は奴隷だ。
天竜人達はまあ言わずもがな、VIPなので天上金そして余興として賭け事も行うだろう。
現にさっきVIPルームへ案内されていたし。
じゃあ私は?
私は手元に天竜人から渡されたお金があるといって身分はこの場にいる誰よりも下だ。
「(このお金を搾り取るためにテゾーロが手を回したの?だとすればテゾーロって結構酷なことするなぁ)ん〜」
「……どうされますか?」
バカラはなおもニコニコと私の返事を待った。
自分が勝っても負けてもこのお金は私にはひとつも得にならない。
天竜人にとってこのお金も端金だ。
……どうせならパーッと使ってパーッと負けて、いつもの仕返しにしてやるか!
「__えぇ、折角ですし挑戦させて下さい。バカラさん。」
そういうとバカラは待ってましたと言わんばかりに
「……bravo!その答えを待ってました。ではご案内させていただきますね」
『名前』は軽くバカラに礼をして案内してもらうことにした。
…
そうして、VIPルームがあるというこれまた金色のホテル……THE REOROに入りエレベーターに乗り込み上がる最中バカラに問いかけた
「バカラさん少しお聞きしても宜しいでしょうか」
「?はい、なんでもどうぞ」
「……VIPルームに天竜人達はまだいらしてますか」
出来れば天竜人とは距離をおけるなら置きたいし関わりたくない。
何が起こるかも予測不能だし、されることも大抵酷い。
顔色を暗くする『名前』にバカラは微笑んだ
「ご安心下さい『名前』様、天竜人の方々は『名前』様をお呼びする前に別室に行かれましたから」
「別室……何かあったんですか?」
「私も詳しくは知らないんですが……多分天上金についてのことかと」
「!成程……」
ほっとし胸をなでおろした。
良かった、考えてみれば天竜人の目の前で大金賭けて負けでもしたら最悪だ。
これくらいは1人で楽しませて貰いたいしね
そう思っているとバカラはVIPルームについたことを伝えた