第2章 グラン・テゾーロ
『麦わらの一味、危機か?』
「……!?どういうこと……?」
私の大好きなルフィ達が危機?待って!?
音を立てないように気にしていた珈琲もガチャン、と置き新聞に食いついた
よく見ると内容は
「現在麦わらの一味はスリラーバークにてモリアと……これって昔の話じゃ……」
ここはGOLDの世界のはずだ。だとすれば彼等はもうここに来てるはずだし、そもそもGOLDは2年後の世界。
まさか……
「……ダブルダウンさん、今日って何日でしたっけ」
「?どうした突然」
ダブルダウンはさっきまでヘラヘラしていた『名前』が突然声色を変え恐ろしさを感じさせているのに疑問をもつ
だがそれを『名前』から聞ける様子じゃないことを察して言った
「……今日は__月__日だ。」
「……何年?」
「……?__年に決まってるだろ」
ダブルダウンからそれをきき恐る恐る新聞の日付をみる。
「……同じ……日付だ……ってことは私……」
GOLDの世界は世界でも……
少なくとも、ルフィ達がくる2年前の世界に来ちゃったの!?
「うそ…私……」
『名前』は新聞を閉じて頭を抱えた
流石に天竜人もここに2年も滞在はしないだろう。じゃあ2年後にまた訪れることを願って今日は帰る?
無理かもしれない2年後に賭けて?
少なくとも2年間もゴミクズ天竜人に体を捧げろと?
……やってらんない!
「……???どうしたお客さん急に……」
ダブルダウンは大きくため息をつく『名前』に心配そうに声をかけた。そのため息にリッカやテンポ達も集まる。
「大丈夫かお姉さん?もしかしてなんか負けたのか?」
「お姉さん借金ついちゃったの……?」
「大丈夫……違うけど……アハハ」
お姉さんもっと酷い状況だよ〜☆__ってやけくそになれるわけもなく、だけどなんとかしなければならない。
さあてこの状況どうすべきか?
……天竜人の奴隷するくらいならまだ社畜のほうがよっぽどマシなんですけれど?
これが夢だとすれば死ねば目が覚める……?
「……でも」
私天竜人の奴隷だって覚悟した時、自分の道を切り開くって決めたじゃないか。
さすがに自殺するのは今まで挫けることなく不運人生を歩んだ私が報われなさすぎて嫌だ。
……とにかく
「……店長さんワガママきいてくれてありがとうございます」