第2章 グラン・テゾーロ
この世界のてがかりを得るため……だなんて言えないし。
だけれど完全に彼が私を勘違いしていることは分かったので自分の身分をばらすことにした。
「……ダブルダウンさんですよね。」
「!?そうだが……何故俺の名前を」
驚かれるのも無理はない。
だけどまぁこっちはこの世界だいぶわかってる者なのでね。
「いえ、事前に調べて来たものですから。
それで私がここに来てることが変だと思われてるので貴方だけに言いますね」
「?」
そういって『名前』はにこりと微笑んで自身の着飾った首輪を指さした
「この首輪、見た目はアレだけど……心当たりありませんか」
「!?……アンタまさか」
ダブルダウンはハッとし、周りをみてから小さく言った
「……奴隷なのか」
「そうです。私は偉い人でも貴族でもありません。」
「……でもなんでそんな金を、しかも服装だって」
それは……と『名前』はダブルダウンにかくかくしかじかと事情を言った。
「成程、のし上がった結果……それって訳か」
「そうです。単独行動も異例ですよね〜」
軽く言いながら『名前』はもぐもぐとサンドウィッチを咀嚼した。それを聞くダブルダウンは信じられないと言いたげな顔になっている。
天竜人達がここに来るわけもないし、だいぶ気を抜いてるから当然か。
でもまあ現実〜ここに来てずっと締め付けられた生活だから気は抜きたい。
珈琲をすすり店員らしき少女に声をかけた
「ねぇお嬢さん」
「!はい、なんでしょうか……?」
少し驚きたじろぐ少女、確かこの子の名前はテンポだったかな
リッカの妹だったっけ?
「ここって新聞ってあったりする?」
「!はい、世界経済新聞ですね」
ビンゴ!良かったここを選んで!新聞が得れるのは有難い……
テンポは裏に行き新聞をとり手渡してくれた
「ありがとう……どれどれ?」
ここはGOLDの世界。映画では新聞について何も話されなかったが、他のルーキーの活躍がみれる……私なら!
それにGOLDの世界とわかったらルフィ達も暫くしたらここに来るはず。
私がスマートフォンで願ったのはルフィ達の力になること。
それを叶えれば……きっと現実に帰れる!
まぁその前に私だからこそできる楽しみをしようじゃないか
「ローとか載ってないかな……え?」
『名前』はひとつの記事に固まった