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【ONE PIECE】2 yars a GOLD

第10章 砂と予兆


「もちろん、連れてきた俺がちゃんと責任もってサポートしますよ」
「……まあ最初からあんなめにあってる時点で信頼度は全然ないけどね」
「そ、その分ちゃんとやるから!」

本当だろうか、まあ私の今後は彼に委ねられている部分が大きい。彼をどう思おうと私は頼るしかないのだが。

「ともかく──今度は電伝虫かタイミングいい時に直接会いに来るよ」
「変な面倒事は起こさないでよ」
「うーん」

面倒事、ねぇ と彼は苦笑する。こいつまたやらかす気なのか。念入りに言っておかなければ。

「 うーん じゃない!もう死線彷徨うのは嫌」
「ちがっ俺がじゃなくってその、君はもうそれどころじゃなくなるだろうなって」
「……どういうこと?」

歯切れ悪そうに喋る彼に無言で詰め寄ると観念したのか彼は話し始めた

「君、この間ドフラミンゴに会ったんだろ?」
「あぁまあ……でも結果的には彼らしいまま終わったしテゾーロはまだしも私は何も無いと思う」

「ぶっちゃけるとあいつ、だいたいの面倒事の元凶なんだよね」
「えっ」

思わず『名前』は固まってしまった。

「異世界者は引き寄せるとは言ったけれどドフラミンゴは持っている情報網が特段大きいから彼からいろんなところに広がりやすい人物でさ」
「えっ」

「それにテゾーロの船にいて彼の商売敵とはいえ、普通ドフラミンゴが初っ端かつ直々に会いにきて、無事どころか友好的に終わるなんて普通ないんだよ」
「えっ」

「君の今の地位もそうだけど、"普通の人間が"ってだけでこの世界では特異に思われやすいんだ……もう言わなくてもわかる?」

「私が私であるだけで……巻き込まれることは避けられないってこと?」
「そう」

あっさり返事するな!と言いたいところだが、今後起こるであろう苦労が次々と脳裏に浮かび『名前』はそのまま項垂れた。ストレスからかキリキリと胃が傷む。

「うう、なんで……悪運にも程がある」
「だよねえ じゃあ現世に戻る?」

『名前』は彼の問いかけに対しすぐに顔をあげ、キッと睨みつけた。

「絶対に嫌!」
「そういうと思った。じゃあがんばろう『名前』、また会おう!」

そういいにっこり笑う彼を殴ろうとしたがその拳は空を切り、彼の指を鳴らす音だけが残った

「……次会ったらぶん殴ってやる」
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