第2章 グラン・テゾーロ
「ではお父上様、わちしたちもいくだえ」
そうチャルロスがいうと突然床から人が現れた
「するるるる……突然失礼いたします。
天竜人の皆様本日はお越しいただきありがとうございます。ここからはバカラに変わりまして私が案内致します。タナカと申します」
そういい現れたのはタナカさんだった
「(タナカさん……!ヌケヌケの実の能力者、たしか無機物をすり抜けられるんだっけ……)」
「では皆様、VIPルームへとお連れ致します」
「『名前』、行ってくるだえ」
「!はい、チャルロス様……」
チャルロスは『名前』の首輪に繋がれた鎖を外し、鎖は黒スーツの男に手渡され、タナカさんと天竜人そして貴族の人達は連れていかれた。
その場には私とバカラが取り残される。
「……(とはいえ……このお金……)」
使うのもすごく気が乗らないしだからといって何もしない訳にはいかない……どうするべきか
悩んでいる『名前』にバカラは声をかけた
「……『名前』様で宜しかったでしょうか」
「!はい、ええとバカラさんでしたよね」
そういうとバカラは表情を明るくし
「AMAZING!私の名前を覚えて下さったんですね」
「!忘れるはずもありません」
そういうとバカラはニコニコとし、何かを思いついたような身振りをしてみせた
「!そうだ『名前』様、折角お金を頂けたんですしギャンブルをしませんか?もしよろしければ私がご案内致します」
「!」
寧ろ拒絶され追い出されると最初から思っていたのでバカラの反応が以外で驚いた
そんな『名前』にバカラは首を傾げる
「……?どうされましたか『名前』様、なにかお困りでしょうか」
「!いえ、ただ、私はその……天竜人と同行し、今見た通りお金を貰っていたりとしてるとはいえ奴隷です。」
「!」
「バカラさんはVIP専用の案内人、私はVIPには程遠い存在ですから……貴方に冷たく接されないことに驚いていて」
「……」
そういうとバカラは驚いた顔で数秒固まり、ふっと笑いだした
「!?私、なにか変なことを……?」
「ふふふっ……いえ、『名前』様失礼しました。『名前』様は『名前』様が思っている以上に凄い方ですよ」
「え?」
「奴隷であってもなくても……天竜人にあんなふうに扱われる方はそういませんから」