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【ONE PIECE】2 yars a GOLD

第9章 決意


もう一度気を引き締めて彼に感謝を伝えたが、そう気をはらないで下さい、と彼に気遣われてしまった。

「でも『名前』様良かったです、あの時こちらに合わせてくださったおかげで何とかなりました」
「いや、それは私の台詞です、あれはタナカさんのおかげですよ!でも、なんで……」

なんで、あの時タナカさんは自らテゾーロに嘘をついてまで、私を庇ってくれたのだろう。私はタナカさんに何も、していないのに。

あ、と目を見開いたかと思えば彼は所謂、私たちでいうクスクスにあたるような声色で 彼らしく笑う。

「……するるるる、そういえば、理由づけを忘れていましたね。」
「つまり理由はないと?!」

わかりやすく驚くとタナカさんはより一層笑った

「ええあの時はちょっと必死でしたからね、一時の感情で『名前』様を失うと思うと恐ろしいですから」
「……改めてありがとうございました」

タナカさんからみても私は金の像にされかねなかったのだとわかり背に冷たいものが走るような感覚に陥る。

「でも、私ごときがタナカさんが必死に庇うに値するでしょうか」
「……それは勿論、きっとこの船誰もがそう思いますよ」
「!」

「今『名前』様のご活躍で業務に滞りがあれど切り抜けるには充分なところまで持っていけています。あの 騒動後で寧ろテゾーロ様があれだけ落ち着いているのは奇跡です。

もし貴方がいない船ならば……するるるる、部下10人ほど、それにいくらかのはした金程度の貴族は犠牲になっているでしょうね」

そうニッコリしたまま告げられて私は何も言えなくなってしまった。またも背に冷えが走る。

どんだけこの船人員不足なんだ。いや、増やしてもこの調子だとテゾーロの気まぐれで人が減っていくということだろうか。

「それならよかったです、私にもここにいる意味があるんだと思えるから」
「ああそれだけじゃありませんよ、『名前』様」
「え?」


「テゾーロ様の"お気に入り"としても、貴方は必要不可欠ですから」
「……う゛ぇ」

……"お気に入り"の言葉に『名前』は反吐が出るような思いをし、自分でもわかるほどモロ顔にでて顔が歪んでしまった。


「するるる そんな顔をされなくても!」
「絶対……嫌ですもん……」
「!それは珍しい、人によれば喉から手が出るほど欲しい立場でもあるんですよ」
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