第2章 グラン・テゾーロ
「bravo……!お待ちしておりました皆様」
そういい現れたのはグラン・テゾーロのコンシェルジュ、バカラだった。
「(……!ラキラキの実の能力者バカラ、ルフィの時もそうだったけどやっぱり天竜人の時も来るんだ)」
「私、VIP専用案内人を務めさせていただきます。バカラと申します。本日はお越しいただきありがとうございます。」
彼女の挨拶の後、後ろを見ると貴族の男性何人もがバカラに見とれている。バカラはとても美しいのだから当然だ。
「それではご案内させていただきます。先ず天竜人の皆様、どうぞこちらにお乗り下さい。」
そういい彼女はカメカーを示した。
それもただのカメカーではなく、上流階級の人専用の、といった見た目をしている亀の車だ。
けどこういう時私はどうすればいいんだろう。中に連れてこられること自体珍しいが、これでも私は奴隷だ。……バカラに拒否されるのではないだろうか。
「チャルロス様、私はどうすれば……」
「?お前も一緒に乗るだえ」
「!?はい」
チャルロスに首輪に繋がれた鎖をひかれそのまま天竜人の人達と一緒のカメカーに乗った。
乗り込むとバカラがこちらを見ていることに気づいた。
「……」
「(何か言われる……?)」
バカラはそんな私を物珍しそうにみたが営業スマイルに戻った。
__仕方がない、今の自分は余りにも異例すぎる。
貴族の人達からも若干どよめきがきこえたが、そんなことはお構い無しにバカラが運転するカメカーは走り出した。
…
カメカーが向かった先はテゾーロがいつも行うショーの会場だった。
会場内のVIP席に連れていかれチャルロスの横に『名前』は座る。
「(同じ船で来た貴族の人達でさえ下のフロアの一般席なのに……奴隷の私がこの席に座るって変だな)」
そう考えてるうちに始まったショーは映画で見るよりも何倍も迫力があった。
映像でしか見れない世界を生でみるなんて変な気分だ。
カリーナの歌声、踊り子の美しさ
……そしてそのセンターに立つグラン・テゾーロのオーナー、ギルド・テゾーロ。
「……凄」
思わずその美しさに口元に手を当てる。なんて美しいんだろう。テゾーロの方をみていると一瞬こちらのVIP席の方を見て彼が動きを止めたのに気づいた。目が合った気がして思わず胸が鳴る。