第8章 異質
「いや誰でも急に褒められたら引きますよ、貴方そういう人じゃないじゃないですか」
「お前……人が下にでていれば偉そうに……」
ッチと舌打ちをし彼は指を鳴らしたかと思えば、能力を発動し容赦なく『名前』の片足に金の重りを付けた
突然付けられた重りにバランスを崩し彼女の身体が大きく傾き危うく転けかける
「うお゛っ!?」
「ハッ!いい気味だ……それで帰れ」
「はあ!?たたでさえ酷いめにあったばかりなのに!?」
ふん゛ん゛ん゛……!と呻き声をあげつつ、なんとかテゾーロを追おうとする彼女を鼻で笑う
「この際だ、少し鍛えたらどうだ?……いい気味だな」
「絶対最後のが本音でしょ!!!こんのっ……鬼!!!」
「ハハハハ!いくらでもいえ」
さっきの感謝も借りも撤回!こいつやっぱり……クソ野郎、アホゴールドだ!
「っ絶対い、ぃい゛……覚えてろよ……重いぃい゛!!!」
その後、あんなにドフラミンゴに好き勝手にされ不機嫌だったテゾーロが大変愉快そうに帰ってきたこと。
そして彼が帰った1時間後にようやく汗だくになり金枷をつけられた『名前』がTHE REOROに着いたものの、息たえだえになりホテル前で撃沈し見つけた部下に必死に持ち上げられていた姿が一躍噂として蔓延っていた。
そう、彼らはなんとか天夜叉をやり過ごせたのだった。
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一方その頃、今回の騒動の元凶であるドフィは船にもどり自室で煙草をふかしていた
「……」
まさか今回暇つぶしに訪れたグラン・テゾーロでここまで楽しめるとは思わず、彼はその余韻に浸っていたのだ。
他所から既に彼に新たな"お気に入り"ができたとは聞いていたが、最初こそ何故アイツが惹かれるような部分がないあの女に、何を見出したのかと思った。
それで最初はテゾーロの制止を無視してあの女……『名前』を誘い出し2人きりの場に持ち込んだわけだが
『___アンタもあのバカと変わんないわ』
初期に俺に向かってそう言い……
『アンタらにこれ以上何言おうと意味無いことくらいもうわかってんのよ!だからもういい、勝手にしろ!』
自身の処遇を賭けられたにも関わらずその場の空気を支配した。
「……フフフ」
もう既に笑みがこぼれ止まらない。ダメだ、面白い。あまりにも面白すぎて身体が震える。
もうこの時点でアイツの他との違いが出ている。