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【ONE PIECE】2 yars a GOLD

第8章 異質


「まぁいい、お前がどれだけアイツを気にしてるかわかったからなァ……フッフッフッ」
「……」

なおも笑顔を保つテゾーロだが、降りている片手から関節をバキリと鳴らしている。
取り繕いたいのか心情を示したいのかどっちつかずでグチャグチャだ。

「おい」
「?なんでしょう」

ドフィが急にこちらに喋りかけてきたので少し驚く。危ない、少しずつこの世界に慣れてきたとはいえ彼らはただの一般企業にいる係長や部長とはわけが違う。

今、私の目の前にいるのは普通が通じない命も簡単に失う大波乱をくぐり抜けた猛者たちだ。それもそんじょそこらのとは違う、人の命を簡単に奪えるカジノ王と海賊。

……にしてもこんな世界の人達とはいえど、特にこの場にいるメンツはアクが強すぎる。ここに来て数ヶ月の人にそんな苦境を普通与えるだろうか。

___うん、この世界に人の心はまるでないな!

「どこまでコイツから聞いた?」
「ええと、賭事(ゲーム)のことでしょうか?でしたら確か……」

1回戦ではテゾーロが負け、ドフィが大勝利。しかしテゾーロはその結果を逆に好機と考えてドフィに何かを元手にすることを交渉し再度挑んだ。
テゾーロの口ぶりから私はその2回戦で逆転したのではないかと予想したところでドフィが現れたはずだ。

「へェ、コイツにはいいように伝えたかったようだが……悪いことしたなァテゾーロ?フッフッフッ……」
「……」

テゾーロは依然として営業スマイルを続けるが、わかりやすく彼の額に血管が浮き出ている。
そんな彼をみてドフィはそれはそれは満足そうな表情。正直もうしばらくは巻き込まれたくないのでこれで満足してそのまま帰って欲しい。

「楽しいゲームをされて何よりですが……私は結局どうする方向になったんです?」
「あァそうだったな、安心しろよ結果だけいうとお前はこの船に残る」
「!」

つまり私はまだルフィの手助けに尽力できる……!と、私はホッとし胸を撫で下ろした

「俺はもう用はねェが……フッフッフッ、アイツがまた都合よくお前に結果をいうのは気に食わねェ……俺が教えてやる」

そういいドフィは少し笑顔が崩れたテゾーロをみて笑いながら、私に今回のゲームの詳細を教えてくれた

「確かに2回目で勝ち持ち金に大きく差が生まれ、俺は大敗した……がな。お前、3回目を伝えずに話を終わらそうとしただろ?」
「……まさか」
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