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【ONE PIECE】2 yars a GOLD

第8章 異質



「なるほどね……でもそれじゃ納得できない。だってそれって__」
「この世界からは消せても現世にもその記録が無いのがおかしいって?」
「!」

「勘違いしてない?……現世で出来ないことは時空を越えられないことだけ、それ以外はできるんだよ」
「……!」

彼の能力の恐ろしさに冷たいものが走る感覚がした。
悪魔の実、その名の通りだということを身をもって感じる。

「勿論凄く手間はかかったよ、現世だと一発勝負なんだから。その過程で俺の元々あった容姿や俺そのものが犠牲になったけどね」
「なるほどね……つまりその姿は」

「そう、本当の姿じゃない
俺はこの実から起きるかもしれなかった最悪な未来を起こさない為に、最善を尽くしたんだよ」

つまり私が違和感をもったこの世界に、作風に合わない彼の爽やかな風貌は、その強さをもってしてもこの物語に一切登場しない彼の努力でなし得た証明ということか

けれど彼自身がどういう人かはわかったとして、まだ大きな疑問が残っている

「凄い人ってことはわかったけれど、じゃあ何故私をこの世界に連れてきたの?」
「え?意味なんかないよ〜暇つぶし!もう俺は楽しみ尽くしたからね」
「意味ないの!?」
「ないよ」

さらっととんでもないことを言うがまあその実を食べたならそうなるくらいイカれてもおかしくないか、と『名前』は半ば諦めた

暇つぶしで強制的に他者を連れてきてその様子を楽しむ……性格悪いにも程があるだろう。倫理観がまるでない。
いや、そもそもこの世界出身に倫理観なんて求めるほうが可笑しいか。

一方そんな心情をもち遠い目をする『名前』を見て満足した彼は座っていた木箱から立ち上がった

「君も五体満足そうだし、俺そろそろ違う世界線行こうかな」
「世界線?」

「パラレルワールドっていえばわかる?こことは違う君のいない同じワンピースの世界ってこと。君以外にも連れてきた人はいるからね。彼らの世界の様子を見に行くのさ」

「なんとなくわかった、他の世界に私の先輩がいるのね」
「……そういうこと」

私以外にも同じようなめにあっている人がいると思うと気の毒に感じる

「言っとくけど君が1番玄人だよ」
「は?」

私がどういうことか追求しようとした途端に彼は何かを見つけたのか顔色を変えた

「……?どうしたの」
「君に迎えが来たよ」
「え?」
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