第7章 天夜叉
「……何が可笑しい?ドフラミンゴ」
突然笑いだしたドフラミンゴに警戒するテゾーロの表情は少なくともさっき垣間見えていた不安さが消えていた
成程、こいつが何をもってあの女に思い入れがあるかはわからねェがこれだけは確かだろう
彼女は何がが 違っている
たったそれだけで、ドフラミンゴの中に彼女に対しての好奇心が芽生え欲望が揺れた。
「ここで燻らせるには惜しいやつだと思わねェか?___だから寄越せ」
「……お目が高い、しかしもう貴方が彼女に関わることはない……賛同しかねるな」
お互いに睨みを効かせ周囲に畏怖を与える中、彼らの賭けが始まった。
……
「___さて、どうしようかな」
一方 THE REOLO を出た『名前』は近くのベンチで座り考え込んでいた
思い切って出たはいいものの正直やることがないのだ
よくよく考えてみれば万が一ドフィが勝ったとしても、ここに来て得た物は全部グラン・テゾーロのお金で得た物
持ち込む私物が無い為用意する必要もない
「WILD COWで時間を潰すのも良いけれどさっきドフィとご飯食べたし、新聞も溜まってるの読んだから……」
することが全く無い……無い!
この船にはたくさんの暇つぶしがあるけれど、生憎ギャンブルは趣味じゃない。
娯楽施設だというのになんて私は暇なのだろう?
深いため息をつくと道行く貴族や海賊であろう彼らに通りすがりの私を見て鼻で笑われた
……ああこれは確実に勘違いされてる
「はぁ、ゲームに負けてスッカラカンになったと思われてるよな……散歩でもしよっと」
負けてもないのにそう思われるのも癪なので『名前』はその場を離れて適当に歩くことにした
どうせなら海が見える船の端っこにでも行こう
できるだけTHE REOLOから遠い場所で潮風感じてゆっくりしよう
___ここに出来るだけいれるように
ふとそう思いつつ目の前を見ていると視界に違和感を感じ立ち止まった
「……あれ?」
目の前に広がる人達は何もおかしくない筈なのに、何故だろうか
明らかに何かが違う
『名前』は気づけば体が違和感のもとに動いていた
「……えっ?!」
違和感を感じた 彼 の腕を掴み静止させる
気づけば私はこう言っていた
「___君、どこから来たの?」
「……!?」