第7章 天夜叉
となれば……と『名前』はテゾーロの一言で賭けの準備をしだしたダイスに目を向けた
巨大な賽子と鐘のような鉄製の筒
__丁半で賭けを行うのだ。
「(……っていうか、
私の意思ガン無視な辺り本当にコイツら__)」
「?」
最ッッッ低だな!!
今更ながら気づいた彼等の身勝手さに『名前』はドフラミンゴの腕の中にいることに不快感を覚え、彼の腹部を押した
「もういいでしょ離して」
「フッフッフッ、そんな照れなくてもいいじゃねぇか」
「なわけない!ただ不快!」
こちらの感情に気づいている癖に意地悪く笑うままの彼に一切効果の無いであろう怨のこもった目を向ける
手を握りしめ太腿を小突くと笑いつつも彼は私を解放した
全くこの世界の男共は自分勝手たらありゃしない。
__まあ画面越しの時から知ってたけど!
それに、例え私がドフィによって今ある場所を奪われたとしても私がやりたいことは変わらない。
ただ
「……」
一見平静を装っているテゾーロだが本心はきっと違う
握りしめた手が小さく震えているのがその証拠だ。
少なくとも彼は……私のことをどうでもいいとは思っていない。
その確信が得れたなら十分だ
「テゾーロ!」
「!」
そう叫ぶと驚いたのか微かに震えた彼らしくない反応にニヤつきそうになったが気を取り直して再度叫ぶ
「結果がどうであれ、私は貴方に賭ける!」
「?!」
周りのお前はそれでいいのか正気かよという目線。全部を受け止めて続けた。
「アンタらにこれ以上何言おうと意味無いことくらいもうわかってんのよ!だからもういい、勝手にしろ!」
「……」
ぽかんとするテゾーロ、あぁいい気味。
ドフィも若干、否まあまあドン引きのご様子。なかなか面白い顔を見れて満足だ。
「ってことで、身の回りの整理もかねて……お先に失礼します!」
『名前』は爽やかすぎるぐらいの営業スマイルを彼等に向け、現状に戸惑うタナカさんの元に行った
「ほ、本当によろしいんですか」
「うん、本音言うと気分悪いし外で遊んでくる」
まるで学校帰りの小学生のように『名前』はそういい彼の手にそっと手を添える
「今回はお金じゃないんです、あなた自身を賭けられているんですよ?!」
いつもなら笑顔を崩さず仕事を遂行するタナカさんがわかりやすく心配してくれた。