第2章 グラン・テゾーロ
「!」
『名前』は天竜人もとい息子、チャルロスの口元を拭いた
「流石わちしのペット!気が利くだえ〜」
「私もお役に立てたこと嬉しゅうございます」
周りからみると奴隷と天竜人との関係には見えない程私はのし上がって行った
その2人の元に父上が現れた。
「お父上様!」
「!」
前までは気味が悪いとでも言いたげな目で見てきたが今では私をひとつの家族の様に扱ってくれている。
「チャルロス、『名前』……楽しそうだえ」
瞬時に『名前』はひざまついた。
だが父上は踏みつけるどころか『名前』の頭を撫でた。
「?!」
「『名前』、顔を上げるだえ」
「……寛大なお心、ありがとうございます」
『名前』は立ち上がり元の姿勢に戻った
「チャルロス……今から向かう場所が決まっただえ」
「!お父上様何処にいくのかえ?」
「!」
やっと何処かに着くのか!
この船は今まであてもなく航海をしていた。この船では行き先は全て父上が決めること。
だからそれが決まらない限りは永遠にさまよう。
この船には食料も燃料も天竜人だけあって無限大にあるため尽きることはほぼない。
……ということを情報収集で得ていた。
やっと船内から出ることが出来るかもしれない。……上手く行けば逃げ出すことも出来るかも……!
父上の言葉を『名前』は息を呑んで待った
「行き先は……世界最高のエンターテインメントシティ。
グラン・テゾーロだえ!」
「!?(グラン……ってテゾーロ!?)」
「グラン・テゾーロ……!?あの金色の船かえ!?」
「そうだえ、先日天上金について手紙が来たからな……その受け取りとショーを見物するえ」
途端に周りはガヤガヤとザワついた。
……成程、貴族の中でもやはりグラン・テゾーロは良い場所なのだと再確認できる。
……だけど私が得たのはそれ以上の情報
「(この世界はただのワンピースの世界じゃない……filmGOLDの世界だ!!)」
ごくりと『名前』は喉を鳴らした。
「(テゾーロ……は流石に力を得れないだろうけど、もしも上手く行けば__)」
映画どおりならばルフィ達に会えるかもしれない。
そうすればルフィ達に力を貸すという願いも叶えられるし、もしかすればその騒動に便乗して現状を打破出来るかも
現実に帰ることだって……!