第6章 絡み合い
「っあっはははは!そんなに驚かなくてもいいじゃない」
「驚くに決まってるじゃないですか!」
え〜と言いながらなおも笑い続ける彼女に少し呆れて、かつ自分自身を笑った。さっきから私は振り回されっぱなしだな。
「……私が言うのもなんですがもう少し相手を疑っては?」
「あら、私はこれでも慎重派よ?」
「?じゃあなんで……」
私に嘘をつかなかったの?テゾーロマネーを狙ってるなんて知られたらまずいに決まってるのに。
私に隠しもせずにすぐに打ち明けたのはおかしいじゃない。
しかも、ちゃんと顔を合わせるのは初めてなのに___
私がそう聞くと彼女はすぐさま答えた。
「簡単、アナタに賭けたから。」
「!」
彼女の目の嘘偽りない真っ直ぐさが私を貫くと同時に強く感じた。カリーナが相応しい……と
私がこの世界へ来たいと思った時強く願った"ルフィ達を手助けしたい"は私は何もしないが正解なのだろう。カリーナの役目だから。
だからこそ私は彼女の期待に、"BET"に応えなければならない。
『名前』はふっと笑った
「そっか、なら応える」
「!」
『名前』は差し出されたカリーナの手をとり、続ける
「たとえ理解出来なくっても、賭けられたのなら私はそれに応じるのが役目だと思うから」
そういいカリーナを見据えると少し驚いていた表情からすぐに笑顔に変わった
「交渉成立ね」
彼女は力を入れて『名前』の手を握り返した。続いて私も笑顔になる。
「じゃあ友達ってことで早速その堅苦しい話し方辞めてくれる?」
「わかった、じゃあもう私に尾行するの辞めてね」
「!?バレてたの」
ぎょっとする彼女を鼻で笑う。
以前にWILD COWでカリーナを何度も見て彼女が私を尾行しているのに気づいた
元から彼女の変装を映画を見ていたため知っていたとはいえ、ダブルダウンに何度もこう言われていたからだ。
『また歌姫がきてるぞ』と。
どうやら軍人だった彼にはお見通しだったらしい。私が来ている日にしか見なかったからなんて言うけどよく彼も覚えていたな。
「昼食時に気づいてからはそれ以外でもなんとなくわかっちゃった」
「なっ!?……私もまだまだね」
ううむと悩む彼女に可愛さを感じた
「今度はちゃんと一緒にお茶しよう、ね?カリーナ」
「!勿論」
カリーナに笑顔が戻った