第6章 絡み合い
それに続いてむくりと起き上がる『名前』。
若干崩れた髪の毛を直しながらテゾーロを見た。
「……っ何するんですか突然」
彼は珈琲を飲みきりカップをテーブルに置く。
暫く無言かと思いきやチラリとこちらを見た途端吹き出した
「ぶはっ……くくく!」
「何笑って__いやそもそも」
突然押し倒してキスをするとかふざけてんのかコイツ!
だがそんなことをしておきながら彼はずっと片手で口元をおさえながらケラケラと笑っている。
そして笑いをなんとか堪えながら
「くく、んぐっ……お前の口は肉の味がする」
からかうようにそう言うと彼はまた笑いだした。
「?!?!」
質問ガン無視な彼に言い返そうとしたが、あまりにも自身の女子力の無さを痛感させられ一瞬固まった
「肉……じゃなくて!なんで突然その、キスを」
「?こういうことはもう慣れてるんじゃないのか」
こういうこと__彼は多分私の奴隷時代のことを言っているんだろうがそのキスと今のは違う
「っ今のはそういうキスじゃないでしょう!?」
「……!」
ぴくりと反応し彼は笑うのをやめた
じ、と彼は『名前』を見つめてから へぇ とニヤつく
「私をそういう目で見てくれるのか」
「!いや、その……」
完全にミスったと思いながら『名前』は目をそらす。
その反応すらも楽しむ彼に勝ち目はないと確信し逸らした目を伏せた。
「何も言わないということは否定しないということだろう?」
「……追い詰めるようなこと言わないで下さい」
目を伏せ顔が赤らむ彼女にテゾーロはますますニヤつく。
そっと頬に手を添えて顔を近づけた。
「っ!やっ……」
「……ふふ、本当は嫌がると思ってしたんだがな」
「なっ!?嫌がらせ目的だったんですか!」
本来は嫌がった『名前』に対し、さっきまでしていた性行為はこういうことだと教えようとしたのに『名前』は予想外に私にとって嬉しい反応をしてくれる。
彼の中ではそれはもうどうでもよくなっていた。
「ほんっとサイテー__んっ!?」
目の前の少し口を尖らせた彼女に問答無用で口付けをする。
「……っ、どうした?」
「そ、そういうところです!ちゃんと話聞いて下さい」
少し彼は話の内容を思い出そうとしたが笑った
「……お前があまりにも良くて、忘れた」
「!!」
彼女の顔が赤らんだ