第6章 絡み合い
「(いや1mは流石に盛ったけど……でもそれぐらいしてもいいくらい今の状況は)」
「……ん?」
タイミングが悪すぎる。
むしろ、何故こうも狙って入ってこれるのだろうか。
2度も……2度も!
バツが悪そうにする『名前』にニヤニヤとしながらテゾーロは近づいた。
嫌悪感が湧いた『名前』は即座に睨みそのままの気持ちを声に出す
「っ来ないで下さい!」
「口の利き方がなってないな」
余裕そうに彼は『名前』の言葉を無視して横に座った
「私がそれで引き下がるとでも思うか?」
「っ……!」
わかってる、こんなことを言ったって彼には何も通じないことくらいは。それでも嫌だ。
足を組みこちらを見る彼を避けるように身を縮こませそっぽを向いた。それでも意地悪そうに寄ってくる彼に渋々『名前』は言う。
「……っならせめてシャワー浴びてきて下さいよ」
「!」
途端、彼の余裕そうな顔は消えて、目を見開き固まった。
わざと寄せようとしていた手を引っ込め動きを止める。
「?」
止まった彼に気づき『名前』は恐る恐る彼を見た
「……あぁ、見ていたんだな」
「!ほら、やっぱりさっき___(あっ)」
それ以上言うのを躊躇する程に彼の顔が少し暗く見える。
性欲は誰もが持ち合わせるもの、それを消費していたのは彼なのに指摘したらなんでこんな顔になってるんだろう。
……私にはまだよくわからないが。
「なんでそんな顔するんですか、貴方がやりたくてやったんでしょう」
謎の罪悪感が押し寄せた『名前』はなんとなく座り直して少し彼に身を寄せた。『名前』の言葉を聞いたテゾーロは少し顔を歪ませ
「本当だといえばそうかもしれないが嘘といえば嘘にもなる」
「……はぁ」
『名前』はため息をつき席を外した。
まさか離れるとは思わずテゾーロは少し動揺した。
どこに行くのかと思っていると思いのほか『名前』は直ぐに戻ってきた。暖かい珈琲を持って。
『名前』はテーブルに持っていた珈琲を2つおき彼の隣に座る。
「そんな顔されたら下の私達は不安になります。」
「……」
唖然とする彼にもう一度ため息をついた
「あぁもうだから、話聞きますってことです。珈琲でも飲んでゆっくり言えばいいですから。」
「……」
あまりに予想外な行動にテゾーロは