第10章 霊感少女*白澤*
「くっ・・・!!」
女の顔に蜘蛛の身体をしたその妖は私目がけて
蜘蛛の糸を吐き出す
それをギリギリ避けながら来た道を戻る
「何か・・・戦えるもの・・・」
辺りをキョロキョロしながら逃げるが
なにせここは住宅街
最近舗装工事が終わった綺麗な道の上には
ゴミ一つ落ちていなかった。
「しょうがない・・・このまま街の方に・・・」
「お困りかな?」
頭上から声が聞こえた。
この声は・・・
「白澤!!!」
「まぁた面倒な奴に好かれたね」
人の姿に戻った彼は私と妖の間に立つ。
「僕に任せて」
そう言うと彼は小さな光を放つと
彼の着ている服が
現代人が来ている洋服から
着物のようなような服に変わった。
フワッと先程はしなかった桃の香が立ち込める。
「この子は僕のだ。触らないでくれる?」
途端。妖の真下に陣が張り巡らされた
「ぐああああああああああああああああ!!!!」
妖は叫び声をあげながら消失していった