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鬼灯の冷徹 *短編集*

第10章 霊感少女*白澤*



「怪我はなかった?」

「あ、はい・・・」

驚いた。中国では吉兆の印として
のうのうと暮らしているはずの彼が
妖祓いの陣をかけるなんて

「ありがとうございました」

元はと言えばコイツに絡まれなければ
私はあの妖に襲われることなく
今頃我が家で録画してあるドラマを見ながら
おひとり様の時間を有意義に過ごしていたのに・・・!!

「君、知識はあっても対処の仕方は知らないんだね?」

余計なお世話だ!!

「・・・そうだ!良かったら僕が教えてあげようか?」

「え?」

コイツ・・・・・絶対なにか企んでるな・・・。
でも、自分で文献を漁るのも面倒くさいし・・・。
ここは頼ってみてもいいのでは・・・
妖から守ってくれたし・・・
悪いやつではなさそう・・・

「じゃあ・・・お言葉に甘えて」

「よし!じゃあ時間も時間だし一緒にご飯を食べながらゆっくりお話しよう!」

「・・・やっぱりそうなるんですね」.

「どうする?」

ゆっくり、彼は私に手を伸ばす

「・・・・・善処します。」

そう言って私は
彼の手に自分の手を重ねた。
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