第10章 霊感少女*白澤*
「白澤・・・?ってあの白澤?」
「あれ?僕のこと知ってるの?」
「あ、まぁ・・・」
おかしい。白澤と言えば・・・すごく間抜けな顔をしている絵や像が多いのに。
この白澤はとても神々しく
私の目に映っていた。
「なるほど・・・知識はそれなりにあるんだね。」
「物心ついた時からずっと貴方のような類が見えるから」
「そっかぁー」
「それで、中国の吉兆の印である貴方が私に何の用ですか?」
「だから、言ってるじゃん!さっきから!お茶でもしない?って」
「なぜですか?」
「君が可愛いから!」
「?」
彼の言っている意味がわからない。
「私の他にも可愛い方はたくさんいらっしゃいますが・・」
「一目見て感じたんだ!!君じゃなきゃダメなんだ!!」
何言ってんだコイツ。
頭の中でハテナマークが右往左往している。
「失礼ですが、空想の生物と恋愛をする気はございません。」
全くバカバカしい・・・・・
「空想の生物じゃないよ!」
いつの間にか人間の姿に戻っていた白澤は私の手を
握った。
「こうして、君の前にいるし、君に触れているじゃないか」