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鬼灯の冷徹 *短編集*

第9章 少女漫画のような恋をしよう✳︎鬼灯✳︎



魚を焼くいい匂いがしてくる。

よし、これが焼ければ終わり

普段偏った食事しかしていない鬼灯様のために
腕によりをかけていろんなものを作った。
まぁ彼の1番の好物は穀物なのだが・・・・
それだけでは流石にダメだろうと
煮物やサラダ、味噌汁を作った。

私、いいお嫁さんになれるかも・・・!

さて、そろそろ魚が焼き終わるかな
鬼灯様を呼ばなきゃ

キッチンカウンター越しに彼を呼ぼうと机の方を見ると

・・・・・鬼灯様がいない。

「鬼灯様?」

彼の名を読んでみるが応答はない。

あれ?おかしいな?

「ほお・・・」

もう一度名前を呼ぼうとしたとき
何者かに後ろから抱きしめられた

「・・・・・呼びましたか?」

急に耳元囁かれたので
つい、肩がビクッと震える

「ほお・・・すぎさま?」


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