第7章 マワレマワレ*白澤*
ある日私は地獄の鬼神、鬼灯様に呼ばれて閻魔庁へと向かった。
何か嫌な予感がする。
胸の辺りがざわついて、閻魔庁へ向かっている最中も気が気ではなかった。
閻魔庁に着くと、見覚えのある2人の小鬼が私を出迎えてくれた。
「様!!」
「おい!茄子!失礼だろ!すみません・・・様・・・」
「大丈夫よ。久しぶりね。唐瓜くん。茄子くん。」
「はい。ご無沙汰しております。」
「久しぶりですねー様!元気でしたか?」
「ええ。」
話したいことは山ほどあるけど、とりあえず鬼灯様の所へ行きましょう。
と、唐瓜くんに連れられて歩き出す。
鬼灯様の所へ向かっている間も茄子くんは話をやめなかった。
「それにしても、様が薬の勉強したいから白澤様の所で働きたいって言ったときは僕たちもびっくりしたなー」
「まぁ、いきなりだったものね。」
私は今の極楽満月で働く前は、地獄で獄卒をしていた。
とは言っても、金棒を持って亡者を脅す役ではなく
私の仕事は、閻魔大王の補佐官の補佐
実質地獄のNO.3のような立ち位置だったため、唐瓜と茄子の教育もよくしていた。
「様が白澤様の所で働きはじめた時、唐瓜よく泣いてたよねー」
「ばっ!!ないてねぇよ!!!」
「えー。よく暗い部屋で一人泣いてたじゃん!俺知ってるんだよー?」
「知ってたとしてとここで言う事じゃねぇだろ!!!」
顔を真っ赤にさせて茄子くんを怒る唐瓜くん。
・・・・・変わらないなぁ。
「あ、ほら。さま。鬼灯様いたよ!」
そう言われて前を見ると、散々人の店のドアを蹴破って入ってくるいつもの鬼神が目の前にいた。
「唐瓜さん。茄子さん。ありがとうございました。もう、いつもの持ち場についてください。」
「はい。わかりました。」
「えぇー俺もう少し様と話がした「はいはい。」
茄子くんが言い終わらないうちに、唐瓜くんは茄子くんの着物の襟を掴むと、ズルズルと引っ張っていった。
「・・・・・さて、それでは本題に入りましょうか」