第5章 金魚草のない花屋❇︎鬼灯❇︎
次の日、は店にキンギョソウを仕入れるため朝早くから競りへ出かけた。
市場は朝早くなのにたくさんの人で込み合っており、綺麗な花々たちが次々と運び出されていた。
(さて、キンギョソウ・・・・キンギョソウ・・・)
お目当てのキンギョソウがあるとされる場所へ行くと、今まさに綺麗なキンギョソウの競りが始まるところであった。
赤、ピンク、白、オレンジ・・・・・
どの色にしようか迷っている間もなく、競りが始まってしまったため、は結局全種類のキンギョソウを競り落とすことになってしまった。
車にキンギョソウを積み、店に戻る。
「鬼灯様、来てくれるかな・・・・・」
淡い期待を、もちながら色とりどりのキンギョソウを店内に飾った。