第1章 ヤキモチなんて*白澤*
「それで……私をここに呼んだ理由は惚気るためですか」
「違いますよ!!愚痴を言いたかったんです!!」
「それを惚気と言うんですよ。リア充め」
まったく……なんて言いながら目の前のあんみつをおいしそうにほおばる鬼灯様。
「あいつの浮気癖なんて付き合う前からわかっていたことでしょう?」
「そうですけど……」
「じゃあなんで付き合ったんですか…」
「白澤から告白してきて…私も好きだったから……浮気性も直すって…」
「あいつのどこがいいんですか」
「……全部」
「全部!?」
わ。鬼灯様が声を荒げるとこ初めて見た。
「ほんと、物好きですね」
「そうですかね…?」
「それ、本人に直接言いなさい。」
「え…?」
鬼灯様の指が私の後ろを指差す
まさか……
後ろをそっと振り返ると
息を切らしながら私と鬼灯様をにらむ白澤の姿があった。