第3章 不思議な人✳︎白澤✳︎
「え!?鬼灯!?」
どこだどこだと辺りをキョロキョロと見回すその人は
とても鬼灯様に似ていて
・・・でも、よく見ると少し中国人っぽい顔つきをしていた。
「・・・あ、ごめんなさい。私の勘違いです。」
人違いをしてしまった恥ずかしさで彼の顔を直視できない。
「あ、そうなの?よかったぁ。あの朴念仁にはなるべく会いたくないんだよねぇ。・・・あ、立てる?」
彼はそう言って私に手を伸ばした。
その手を掴むと一気に彼の顔が近くなる。
「あ、あの!?」
「ん。よかった。顔に傷は無さそうだね。」
キスができそうなその距離に冷や汗をかきながら離してもらおうとするがなかなか離してくれない
「女の子がこんな遅くに一人でこんなとこ歩いちゃダメだよ?変な男に捕まったらどうするの?・・・僕みたいな・・・ね?」