第1章 ここ……どこ
「……おい」
「はいっ」
不意に顔を上げた男に驚いて若干声が裏返った。
恥ずかし
そんな私を気にもとめず、男は掌を差し出した。
「?」
「見たンが早ぇだろ」
ちょっとよくわからないことを言って、継ぎ接ぎのある掌を見るように言われる。
ボッ
「ッつ!!」
突如その掌が青い炎に包まれた。
急な光と熱に目を見開く。
「ぇ…あ……!?」
「これが俺の個性な訳だが」
「こ、せいって……」
「まぁ簡単に言えば……個性ってのは人間が持ってる特殊な力だな。大体4歳くらいに発現する」
“本当に知らねぇのか?”と聞かれるも、知らないものは知らない
……筈なのに。
この既視感は何?
「……あ、の。今更なんですけど……ここって、何処なんでしょうか……」
「保須市」
「保須市……」
駄目だわかんない…!
スマホを出そうとするも、圏外なのを思い出してやめた。
この電子機器、ネットないとほんとに何も出来ないよね!
うんうんと唸り始めた。
考えすぎて頭がショートしそう。
私勉強とか得意なほうじゃないし、考えるのは苦手なのに……