第4章 歌
「―――――――――」
極々小さな声で呟くように口ずさまれる歌。
荼毘の耳にも届くか届かないか位の。
なのに夢歌の真っ白だった髪の色はほんのり黄緑に染まっている。
その上それだけでなく
「これは……?」
パラパラと小さな欠片が頭上から降ってくる。
つい上を見たが、横を見てもおかしな事が起こっていた。
歌っていた張本人も異変に気がついたようで、歌を止めて見上げる。
と
「っ!?」
「おい!」
ガラガッシャァァアアン!!
盛大な音を立てて瓦礫が落下してきた。
「けほっ、けほ……」
何が起きたか分からずに砂埃に咳き込んで居る夢歌は、体が何故か暖かいことに気がついて顔を上げた。
「大丈夫か」
「!?」
すぐ近くに継ぎ接ぎの顔が見え、荼毘が咄嗟に助けてくれたことを悟った夢歌は自分でもよくわからない声を出してぼふっと頭から湯気を出した。
流石に好きだったヒロアカキャラに抱きしめられるのは精神的にダメージが凄かった。
もちろん嬉しいんだけど。