第4章 歌
でも恩返しって言ってもねぇ……何度も言うけど私ほんとに何も出来ないし……
自慢できる特技も特に……ちょっと楽器が演奏できてちょっと絵が描けてちょっと料理ができてちょっと裁縫できてちょっと音感があるくらいで……
あ、今“意外と出来ることあるじゃん”って思った人!!
これ器用貧乏だから!
プロみたく自慢出来ることは皆無なので!
内心で誰に言うでもなく悶々と考える。
ちなみに趣味はピアノと料理と絵と歌。
こういう時はなにか趣味に没頭するといいってどこかで聞いたことあるから何かしたい。
でもここにはピアノは無いし、料理器具も食材も画材も無い。
となれば
私はちらりと荼毘さんを見る。
そして、静かに好きだった曲を口ずさんだ。