第3章 エンカウント
「……っ!ううん、大丈夫…!緑谷君もヒーロー好きなんだ」
ってあぁー!
動揺しすぎてサラッと名前呼んじゃった…!
“なんで知ってるの?”ってなったらまずい……
「あ、体育祭見てくれてたんだ」
「そ、そう!凄かったよー!」
少し照れたようにそういう出久君に全力で乗っかる。
体育祭終わってたんだ、見たかった…!けど良かった…!
出久君だけ立ってるのも何だったから照れまくって固辞する彼を何とか座らせ、話を聞く。
どうやらここ最近色々買うものがあって学校終わりなどにここに来る機会が多かったみたいで、その度同じ場所で同じ本、それもヒーローについての本を読んでいる私が気になっていたらしい。
積極的だね出久くん。
私の気づかないうちに見られてたって思うと恥ずかし…!