第3章 エンカウント
それから出久くんが私に話しかけるきっかけになったヒーローの本へと話題が移っていって、最終的に出久くんのヒーローのオタク知識をこれでもかと披露された。
とても楽しそうに語る彼の話を真面目に聴きながら、私もまだ知らなかったヒーローの一面などを教えられてとても有意義だった。
やっぱりこの本だけじゃまだまだ知らないことも沢山あったみたい。
にしても出久くんのヒーローの知識量凄いな……知ってたけども。
それから所々相槌を打ったり疑問に思った所を聞いてみたりしてヒーローの話に花を咲かせまくっていると、いつの間にか数時間経ってしまっていた。
「あ、もうこんな時間!椎名さん、急に現れてこんな話ばっかりしてごめんね…!」
「ううん、楽しかった!出久くんのヒーロー知識すごいね」
「いやぁ……僕もすごく楽しかった!こんなにヒーローについて話せる人は初めてだよ」
とまぁこの時間だけでとても仲良くなった。
未だ語り尽くせてないのか、興奮で頬を紅潮させている出久くんにくすくすと笑みが零れる。
「また……話せないかな、。あ、図々しいよね!ごめ…」
「待った待った!謝らないで!私もまた話したいし……来週私またここに居ると思うから、良かったら」
「いいの!?」
「もちろん!」
キラキラした目で見てくる出久くんに笑顔で頷く。
そんなこんなで来週また話そうと約束したのだった。