第2章 荼毘

｢……何してんだよ｣

｢おや、あんたの連れかい？こりゃ失礼した｣


まったく悪びれずに笑う男に荼毘さんはため息をつきながらその手を離した。


｢お前、離れんなよ｣

｢ご、ごめんなさい……｣


ジロリと睨まれて身を縮こませる。

そんな私に2度目のため息をつくと、視線を男の方へ投げた。


｢連れがいるなんて珍しいねぇ。ずっと一匹狼だったろう？｣

｢お前には関係ないだろ｣

｢そりゃそうだ｣


何がおかしいのか、まだ笑い始めた男に顔を顰めるとこちらをちらりと見てから無言でその横を通り過ぎて行った。

ちゃんとついてこいという意味だろう、おそらく。


そのまま無視して行くのは気が引けて軽く会釈すると“怖がらせて悪かったね、お嬢ちゃん”とあの笑みを返された。





























そうだ、思い出した。

さっきの人確か、ヴィラン連合に荼毘さんとトガちゃんを紹介してた大物ブローカーさんだ。